統合失調症とは? 東京デジタルキャリア 就労支援ログ (TDC member writing)
A:精神機能のネットワークがうまく働かなくなる状態
私達は喜びや怒り、悲しみ、楽しみといった様々な感情を持っています。こうした感情や思考は、脳内の精神機能のネットワークを使って行われています。
ところが、何らかの原因で様々な情報や刺激に過敏になりすぎてしまうと、脳が対応できなくなり、精神機能のネットワークが上手く働かなくなることがあります。
その為、感情や思考をまとめてあげることができなくなります。
この状態が統合失調症です。統合失調症とは、この様に脳内の統合する(まとめる)機能が失調している状態を言います。
精神機能のネットワークは脳内の様々な場所で行われています。
その不調の場所によって、実在しない人の声が聞こえる等の現実にないものをあると感じる幻覚が現れたり、周りで自分の悪口を言われていると思い込む被害妄想が出たり等、様々な症状が出現します。
統合失調症の症状は大きく、幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲の低下などの「陰性症状」、臨機応変に対応しにくい「認知機能障害」に分けられます。
A:幻覚、妄想、自我意識の障害、思考の障害、行動の異常
幻覚 | 幻覚は、実際にはないものをあるように感じることです。視覚や聴覚、嗅覚、触覚など様々な感覚で現れます。 |
妄想 | 妄想は、非現実的なことや有り得ないことなどを信じ込むことです。
自分の悪口を言っている、見張られている、騙されているといった被害妄想が代表的です。 |
自我意識の障害 | 自分と外の世界との境界がはっきりしなくなって周囲の影響を受けやすくなり、自分の行動や考えを誰かに支配されている様に感じます。 |
思考の障害 | 考えにまとまりがなくなり、一つの話題から全く別の関連性のない話題へ話が飛んだり、つじつまが合わないことを言ったりします。 |
行動の異常 | 激しく興奮して大声で叫んだり、逆に周囲からの刺激に全く反応しなくなったりします(緊張病症候群)。
目的のない運動や無意味な言葉を繰り返す常同症や、芝居じみた挨拶や奇妙な身振りをする衒奇症(げんきしょう)、最初にとらされた姿勢をそのまま保ち続けようとするカタレプシーがみられることもあります。 |
A: 感情の平板化や意欲の減退、思考の低下
単なる気分の高揚や落ち込みではなく、感情そのものの表現が乏しくなります。 |
自ら、何らかの目的をもった行動を始めたり、それを根気よく持続することができなくなります。 |
思考力が低下し、会話の量が少なくなります。 話しかけても、短くて素っ気ない内容の、途切れとぎれの返事になります。あるいは、全く答えられないこともあります。 |
他の人との関わりを避け、自室に引きこもる様になることがあります。 |
A: 記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などの認知機能の障害
〇選択的注意の低下
周囲の様々な情報や刺激に対して、取るに足らないものを無視して必要なものだけに注意を集中することができません。
〇比較照合の低下
例えば、Aさんが持っている本と同じものをBさんが持っているという理由だけで、AさんをBさんと思い込むという様なことがみられます。
〇概念形成の低下
さまざまな情報に対して、類似点と相違点を区別して物事をグループに分けて概念化する機能が低下しています。その為、過去の類似の体験に基づいての対応ができません。
A:自分の病気を受け入れること、周囲は偏見などを行わない
精神疾患に対する社会の偏見は根強く、とりわけ統合失調症は「何をするかわからない病気」「不気味な病気」といった根拠のないレッテルが貼られることがあり、いわれなき偏見がつきまとうことがあります。
それによって本人、家族はさまざまな不利益を被るなど、統合失調症だけではなく偏見との闘いも余儀なくされているのです。
本人、家族が当たり前の生活を取り戻すためにも、社会全体において統合失調症の理解が深められ、偏見をなくしていく不断の努力がなされる必要があります。
- 家族が病気を受け入れることが最初の一歩
家族の多くは、病気を受容することができず、常にそれを否定し、まるでそんな病気が存在しないかの様に振る舞い続けます。
こうした一連の反応はある意味で病気を受け入れるまでのやむを得ない過程ともいえますが、そこからは何の解決も生まれてきません。
統合失調症からの回復には家族のサポートが不可欠なのです。家族が統合失調症を受け入れること─これが統合失調症からの回復に向けた最初の一歩になります。
- 完治はしない病気である。
再発を繰り返すことが多いため、症状が治まったからといって、自己判断で薬の量を減らしたり中止したりすることは禁物。
症状が出ないように薬物療法を続けながら、長期的に病気を管理していくことが大切になる。
無理なくできるレベルを把握できるようになったならば、本人ができることはなるべく自分でする様にしていくことが大切です。
ともすると家族は過保護になって世話を焼きすぎる傾向にありますが、本人ができることまで手を貸していると世話をしてもらうことが当たり前になっていきます。
統合失調症は社会・生活機能が低下する病気ですから、回復の過程においてこれらの身の回りのことを自分ですることが治療につながっていきます。
- 受診の大切さ
完治はしない病気だからこそ、服薬や通院の継続が必要になってきます。
人間ですから、その日その時の心身の状態、また、環境の変化などによって症状が悪くなったり、
それが更に悪化すると病気が再発することもあり得ます。それを防ぐ為にも、毎日の服薬、定期的な通院、受診が大切です。
自身の障がいについて正しく理解することは病気と正しく付き合っていくことになります。
周囲の人の障がいを理解することで、精神障害という見えにくい障がいを社会の中で受け入れることができます。
病気を治療することは勿論できませんが、一緒に支えていくことはできます。
皆さんも自身の病気をしっかり知ることができると、より自分の事を理解できるかもしれませんよ?
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